高橋美紀さんはどんな人?
新潟県高田市(現在の上越市)で生まれました。
父親が公務員だったので、新潟県をあちこち転勤。佐渡島にも住みました。邦楽と日本舞踊好きの母、姉は、インスタレーションアーティスト。
子供のころから、水田に囲まれた土地柄、ザリガニ採りや蛙や鮒。さまざまな小動物や鳥や虫。ありとあらゆる植物たちにまみれて過ごしました。だからそういう絵は、すごくリアルな感覚で描けます。
高校では「パタリロ」魔夜峰夫さんが卒業生で警察長官のモデルになった先生が本当にそっくりで大笑い。学校全体が「パタリロ」のようなにぎやかな世界で、個性と力のぶつかり合い、生徒会が黒タマネギ部隊のようなところでした。一学年上に「エヴァンゲリオン」GAINAXの山賀さん、同学年にロックバンド「PARSONS」の藤田さんがいました。
幼少からピアノをやっていたのですが、大学は空間演出デザイナーを志して、武蔵野美術短期大学へ入学。寝る間も惜しんで勉強しまくりました。大学の保守的な教授に、「近い将来、アニメや漫画が日本の重要なアート産業になると思います。」と発言して、睨まれてました。
大学卒業後は、バッグのデザイン会社に勤務し、バッグやカバンのデザインでヒットを生んだこともあり、その後広告制作会社でも働きました。
現在は、フリーのひとふでアーティストとして活動しています。
音楽家・宮本文昭さんとの出会いについて。
最初に宮本さんを知ったのは、テレビ番組で「海外で活躍するクラシック音楽家」を紹介しているのを観た時です。その後、サントリーホールでのドイツのオーケストラと宮本さんがオーボエ協奏曲で競演しているのを聴きに行き、初めて生演奏を聴きました。「まるで大粒のエメラルドのような音!」と思ったのをハッキリと覚えています。
今では仕事でこんなに濃いお付き合いをしているのが不思議なくらいです。
ひとふでアートの描き方について。
考えてから描くの?インスピレーションで描くの?
自分の頭の中に、ZONEがあって、そこで「描いている」感じです。描きあがると「できましたよ!」というお知らせが来て、描き始めますので出来ると速いです。速いと言っても実際は手で描くわけですから、アナログなスピードです。
下書きは鉛筆でやって、水彩で色をつけていく手法を今はとっています。
時によっては、ボールペンでその場で書いてしまうこともあります。
自信作を紹介してください。
- 「朝比奈隆のブラームス」
- 朝比奈先生とオーケストラを描いたもの
- 「カルミナ・ブラーナ」
- 合唱を描いたもの。
- 「ドン・キホーテたちへ」
- サイトウ・キネン・オーケストラがロストロポーヴィッチ氏と共演したときのものでオーケストラのオーボエ・パートに宮本文昭さんもいます。
以上の3点はどれも大作です。
高橋美紀、私の宝物。
中学の時に読んだエドウィン・フィッシャーというピアニストの「音楽を愛する友へ」という本は別なタイトルで今は出版されていますが、印象に残っています。
映画もよく観ます。「愛と哀しみのボレロ」の中でジョルジュ・ドンとか華やかな人物に混じって、目に障害のあるアコーディオン奏者が出てくるのですが、社会情勢がどうなろうと、落ちぶれようと淡々とアコーディオンを弾き続けているのです。その姿に本当に心を打たれました。
尊敬する人物はいますか?
ガンジーとマザー・テレサです。
あと、緒方貞子さんが大好きな憧れの女性です。
すきな食べ物をおしえてください。
和菓子と枝豆が大好き。食いしん坊なんだと思います。
将来の夢をおしえてください。
音楽が大好きなので、コンサートにもよく足を運びます。オペラやバレエの舞台を自分の美術で飾ることが出来たら最高です!